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ドキュメンタリー映画『かけはし』を観た感想

time 2019/01/28

ドキュメンタリー映画『かけはし』を観た感想

韓国文化院でドキュメンタリー映画『かけはし』を観てきました。

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ドキュメンタリー映画『かけはし』とは

2001年1月26日。JR新大久保駅でホームに転落した日本人男性を救おうとして、日本人カメラマンの関根さんと共に線路に飛び降り、帰らぬ人となった韓国人留学生の李秀賢(イ スヒョン)さん。

スヒョンさんの「日韓の架け橋になりたい」という遺志を継いで留学生の支援活動されているスヒョンさんのご両親を追ったドキュメンタリーです。

『かけはし』公式HP

ドキュメンタリー映画『かけはし』の感想

ドキュメンタリー映画「かけはし」特別上映会(2019/1/26)に参加してきました。

会場は韓国文化院ハンマダンホール。この日は満席で250名の方が参加されていました。

映画は2部構成になっていました。

第1章「I am a Bridge!」

スヒョンさんのご両親と同奨学会が行った留学生支援活動や奨学金を受けた留学生の姿が描かれています。

第2章「足跡をたどって」

韓国の大学生が、日本の学生との交流や歴史的に韓半島と縁の深い奈良県の明日香村でのホームステイを通して民間交流しながらスヒョンさんのゆかりの地を訪れる旅の記録です。

私はこの上映会になんとなく興味があり抽選に応募したら、見事当選して参加することができました。

この2本の上映は95分なのですが、見る前は正直、途中で飽きそうと思っていました。

しかし、私の予想に反して途中で一度も時計を見る事もなく、一気に見終わってしまいました。

私はこの上映会の趣旨もスヒョンさんのご両親の活動も全く知らずに参加したので、JR新大久保駅事故の再現映画でも上映するのかと思っていました。

ところが、そんな重い内容ではなく、スヒョンさんの「日韓の架け橋になりたい」という強い遺志を彼のご両親が引き継ぎ、留学生支援活動などを行なっている様子でした。

映画の詳しい内容は、やはり実際に上映会で見ていただくのが一番だと思うので、ここでは私が一番感銘を受けた点をお伝えしたいと思います。

「スヒョンさんのゆかりの地を訪れる旅」に参加してきた韓国人大学生のソンさんは「民間交流」に否定的でした。

にも関わらず参加したのは、「日本側から見てみたい」という目的があったようです。

彼が民間交流に否定的な理由は、お互いの歴史の事には一切触れずに、「楽しかった」だけで終わらすだけの交流では意味がないと考えているそうです。

私はこの言葉を聞いて、大きな衝撃を受けました。

私自身、韓国の方との交流はとても大切に考えていましたが、歴史に関しては触れてはいけないことと思っていました。

ソンさんは日本人が歴史には触れずに交流することに不満を持ち、交流会には敢えて、その話を日本人学生に向けていました。

しかし、真剣に向き合えば、それに答えてくれる人がいることに気付き、最終的には日本人学生の話を聞きながら涙を流していました。

そして、交流の旅の最終日に中学生用の歴史の教科書と高校生用の歴史の参考書を書店で買い「もう一度、日本の歴史を勉強してから、また日本に来ます」と言って帰っていきました。

私は韓国ドラマを見たり、韓国に行ったりしてるだけで韓国を知っているつもりでいる自分が恥ずかしくなりました。

さらに、自分がもっと若い時に、この学生たちのように交流があれば良かったのに、と思ったりもしました。

そして、上映後にスヒョンさんのお母様である辛潤賛(シン ユンチャン)さんが登壇されました。

JR新大久保駅で追悼式を終えてから、会場へお越しになったそうです。

 

残念ながらお父様の李盛大(イ ソンデ)さんは体調を悪くされて、来日を見送りました。

実は、私はご両親の話に興味があって上映会に参加しました。

ここで私は2度目の衝撃を受けました。

なんとお母様は全て日本語で話されました。

この後、スヒョンさんが通っていた赤門会日本語学校の新井時賛理事長からお話しがあったのですが、スヒョンさんのお母様はスヒョンさんが亡くなって初めて日本へ来たときは日本語で挨拶することも出来なかったそうです。

しかし、その後日本語を勉強されて、今では釜山に来る日本人のためにキムチの漬け方を説明するボランティア活動もされているそうです。

私はこれを伺って、再び恥ずかしくなりました。

スヒョンさんかご存命なら、今年で40歳。

そこから考えてもお母様の年齢は私よりもずっと上です。

日本人と韓国人の大学生の交流会を見ながら「若い人はいいよな~」って、その時点で全て諦めてる自分をとても恥ずかしく思いました。

上映会の帰り道、自分はいったい何ができるんだろう、そう考えました。

もちろん、今は答えは出ていませんが、もしかしたらこの先の人生が変わってしまうんじゃないかと思うほど、考えさせられる上映会でした。

とりあえず、なんとなく勉強している韓国語を目的意識を持って勉強したいという「いまさら」な考えも浮かびました。

もっと言えば「なんとなく生きてるだけ」みたいな人生に変化が起きたらいいなという、野心さえも芽生えました。

ちょっと甘いかもしれませんが。

今は、何も答えは出ていません。

でも、この思いを忘れないように生きていくことが私に変化をもたらせてくれるのではないかと思っています。

天国の流れ星―カムサハムニダ李秀賢さん

後日、李秀賢さんについて調べていたら、こんな本を見つけました。

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李秀賢さんが日本でどのように過ごしていたのかが書かれています。

何かを美化したり、称えたりするための内容ではなく、スヒョンさんのお母様と赤門会日本語学校の新井時賛理事長が講演会で話された内容の通りに書かれてあり、ただ事実のみをまとめた内容であることがわかります。

ドラマの中の世界ではなく、一般の韓国人の生活や考え方を知ることができる点でも興味深く読ませて頂きました。

特に印象的だったのが、スヒョンさんが日本で一緒に住んでいた彼女に宛てた手紙です。

この手紙を公表するにあたって、彼女自身も本当に公表すべきか凄く迷われたのはないかと思います。

しかし、この本に全てを遺すことでスヒョンさんの存在を留めておくことができると思われたのかもしれません。

ですが、彼女の勇気のお陰で18年が過ぎた今でも、当時のことを知ることができました。

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↑こちらは、事故直後にスヒョンさんの母が涙で綴った手記『息子よ! 韓日に架ける「命の橋」』に、事故から20年の両親の歩みを加えた増補新版。

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自己紹介

ゆき

ゆき

2004年に初めて渡韓。それ以来、韓国語を勉強し、韓国料理を覚え、韓国ドラマを見ています。韓国の魅力は何と言っても、あのおおらかさ(テキトー?)です。 [詳細]



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