『トガニ 幼き瞳の告発:도가니』観るのが耐え難い衝撃映像の連続

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「トガニ」は韓国光州広域市で2000年から2005年にかけて、ろう学校の生徒たちに対して校長や教員達から性的虐待や暴力が日常的に行なわれていた実話を元に小説化され、その後映画化され韓国では2011年に公開されました。

日本では『トガニ 幼き瞳の告発』のタイトルで2012年に公開されました。

小説は蓮池薫さんが日本語に翻訳しています。

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「トガニ」とは日本語で『坩堝(るつぼ)』という意味です。

「るつぼ」は、高温処理を行う耐熱式の容器のことです。

社会的な弱者が、まったく出口のない劣悪な環境の中で悲痛な叫びを上げるという惨状を小説や映画で表現されています。

私はこの映画の試写会に参加することができました。

【試写会&シンポジウム~映画を通して考える児童虐待の現場~】
作者のコン・ジヨンさん

 

そして、この映画を観て、これが事実であることに衝撃を受けました。

創られた映像にも関わらず恐怖を覚えました。

とても最後まで見られないような衝撃映像で途中で気分が悪くなると同時に怒りさえも沸いてきました。

会場から逃げ出したくなりました。

なぜ、このような映画が作られたのでしょうか。

「トガニ」の著者であるコン・ジヨンさんは、ある小さな新聞記事を読み、不可思議で理解できなかったので調べてみなくてはいけないと感じたことがきっかけでこの小説を書かれたそうです。

聾学校の生徒たちに対して性的虐待や暴力を加えていた校長や教員達は判決で無罪、学校の関係者は事件が明るみになった後も生徒の受け入れを続けていたのです。

しかし、この小説が世に出されたことで法律の見直しが行われ『トガニ法』(※)が制定されます。

(※障がい者の女性へ虐待の罰則の厳格化のほか、障がい者や13歳未満への虐待に対する公訴時効の撤廃を決定)

真実を知ることは凄く勇気が必要であり、それを公表し自国だけでなく、他の国にまで周知することで作者がどれほど心を痛めたことでしょうか。

周りの人たちに「韓国の恥を外国に広めるようなことだ」と言われ良心の呵責を感じながらも、勇気を持って真実を伝えに日本へ来てくれたコン・ジヨンさんは凛としてとても素敵な女性でした。

この映画を撮影するにあたりとても注意したのが出演者の子供たちの心のケアだそうです。

演技とは言え、子役の子供たちは、この恐ろしい光景を疑似体験するのです。

私はそこまでして映画化の必要性があったのか、小説だけで良かったのではないかと個人的には思いました。

しかし、この映画の最後に「弱い者が権力者に勝つ」ところまで見ると、この映画の子役たちの迫真の演技、正義を伝える力に感動します。

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