2019/10/28

韓国語を勉強している人が韓国でタクシーに乗ると、その空間が突然「韓国語教室」になってしまうのは、多くの人が体験していることだと思う。
私もその1人である。
この日は明洞のスターバックスで知人と待ち合わせをしていたが、歩きすぎてもう歩けないほど疲れてしまい、近くに止まっていたタクシー運転手に声をかけた。
「명동 괜찮아?(明洞 大丈夫?)」
その当時の私の精一杯の韓国語。
これで1人でタクシーに乗ろうというのだから、今考えてもすごい勇気があったと思う。
いや、そのくらい足が痛くて限界だった。
そして、タクシーに乗ったとたん韓国語教室の始まり。
「『명동 괜찮아?』は、小さい子供みたいだから言ってはいけません。大人なんだから『명동까지 가 주세요.(明洞まで行ってください)』と言いなさい。」
で、何度も「명동까지 가 주세요」と練習させられる。
そして明洞までの道中で「도자기(陶器)」がこの辺りでどうのとかって観光案内してくれているんだけど、さっぱりわからず。
ようやく明洞に着いたが、スターバックスはタクシーの止まった場所から反対車線にある。運転手さんが「道路を渡ると危ないから、ここの地下道を通って行けば、スターバックスの前に出るから」と、教えてくれた。
そして運転手さんがタクシーから降りて、私に地下道の行き方を教えようとしたその時・・・
私1人を乗せたタクシーが「ツッツッツ」と前に動きだした。
なんとサイドブレーキを引き忘れていた。
運転手さんはタクシーに飛び乗り、サイドブレーキを急いで引いた。タクシーが動いたのはわずかな距離だったため、私は無事に降りることができた。
この超親切すぎるタクシー運転手さんのことをソウルに行くたび思い出す。