「社会の窓が開いている」“남대문이 열렸다”(南大門が開いている)という言葉が面白かったので、ご紹介します。
「未生(ミセン)미생」
出演者:
俳優名:イム・シワン(임시완) 役名:チャン・グレ(장그래)
俳優名:カン・ソラ(강소라) 役名:アン・ヨンイ(안영이)
概要:夢を追いかけたために、学歴もスキルもない主人公が大手企業でインターン生として孤軍奮闘する姿を描いたドラマ。
久しぶりに面白いドラマでした。
大学を卒業した後、外国に留学するのが当たり前の韓国。
語学レベルが高いのもうなずけます。
そんな韓国で、もし高卒、しかも検定考試(검정고시)で大企業に就職したら、どれほど苦労するのかを考えさせられる内容でした。
主人公チャン・グレの成長と職場の仲間との関係が深まっていく過程が、まさに韓国っぽくて毎回楽しみに見ていました。
「社会の窓が開いている」“남대문이 열렸다”(南大門が開いている)
そんな「未生(ミセン)미생」の第11話を見ていたときに一瞬「えっ?」と思った台詞がありました。
字幕には「社会の窓」と書かれていたのですが、「남대문」という言葉が聞こえてきました。
アン・ヨンイ:어? 장그래씨,남대문이…(あれ?チャン・グレ氏、南大門が…)
チャン・グレ:네?이런!(え?あれ!)
[チャン・グレがズボンのファスナーを確認するため下を向く。その様子が挨拶をしているように見える。そこで…]
アン・ヨンイ:인사 잘~ 받았다!(挨拶ありがとう)
・場面が変わって更に2回目
アン・ヨンイ:장그래씨…남대문이…(チャン・グレ氏、南大門が…)
チャン・グレ:안 속습니다.(だまされません)
アン・ヨンイ:이번에 진짠데…(今回は本当なんだけど…)
[チャン・グレは2度目もまんまとだまされて、ファスナーを確認するため下を向く]
アン・ヨンイ:인사 잘~ 받았다!(挨拶ありがとう)
南大門(남대문)の「남」が「男」という意味があるため、こういう冗談があるようです。
そして韓国の男性に伺ったところ、
「南大門は中心地にあり、そこを通らなければ中に入れななかったためではないですか?」とのこと。
↑私はこの考えが一番有力であると思いますw
普段は韓国語の台詞が思うように聞き取れないのに、なぜだかこういう時だけ聞き取れる自分の耳が不思議でなりません^^;
日本でも「社会の窓が開いている」という言葉は聞かなくなりました。
もちろん韓国でも「남대문이 열렸다」、「인사 잘~ 받았다!」なんて遊びは今ではみられないようです。
私の韓国語の先生の話では、「私の子供のころは、やりましたが、今の子供たちは忙しくて、そんな遊びをしている暇なない」とのこと。
納得です。
なぜ「社会の窓が開いている」というのか
ところで、日本語の「社会の窓が開いている」ですが、昭和23年から放送されていたNHKのラジオ番組『インフォメーションアワー・社会の窓』が元になっているそうです。
この番組の内容は、社会のさまざまな問題の裏側を探るというもので、「普段見られない部分が見える」とう点から、ズボンのファスナーが開いていることを「社会の窓」と言うようになったとのこと。
そして、男性が「社会」なら「女性」は「理科の窓」なんていう言葉もあったようですが、こちらはあまり流行らなかったそうです。
でも、うちの母が「理科の窓」とふざけていたことを記憶しています。
こういう時だけ記憶力がいいのも考えものです。